日本桜草の魅力 : 濡燕
★ 濡燕
★ 朝日潟 (濡燕と全く良く似ている)
濡燕は、古くは俳句の「春の季語」に入っていたようで、語呂がいいから
かなり使われていた言葉なのでしょう。
燕は「燕が来る家は長者になる」という諺があり、田舎では農家で大事に
保護されてきました。
私の生家でも、毎年 燕が土間に巣作りをするので、天井の桟に板を張り
巣が落ちないよう保護したうえ、玄関戸の上部一ヶ所を切り取って、燕の
出入りを自由にさせていました。
燕は、春に来鳥して、一回に5個ほど卵を産み、その雛が巣立ってから更
に、また2回目の卵を生む。それを育てあげると南の空へと
帰って行きます。
燕が飛んでいる姿はまことに美しい。私は 「濡燕」とは、滝の飛沫を浴び
ながら飛び交う燕をイメージします。
日本桜草の「濡燕」は江戸末期に作出されたと言うから、かなり長期にわ
たり作られてきた品種です。
花色は、表は桃色ぼかし、裏は桃色、桜弁平受け咲きで、中心に紅の目が
あます。この「濡燕」と全くよく似た品種に「朝日潟」があります。
比較すると、その違いは 桜弁と、末広桜弁のちょっとした違いのようで
すが、これ双方共に「さくらそう会」で登録認定されています。
私は同じ品種と思うのですが、なにしろ両方共、古い品種なので修正がき
かないのでしょう・・か。