名刹の旅 no22 : 槙尾山施福寺
槙尾山施福寺は西国三十三ヶ所第四番札所 である。
大阪府和泉市にある天台宗の仏教寺院、標高601mの頂上付近に槙尾山施
福寺がある。
麓の山門から、昼間も大木に覆われうっそうとした狭くて急な坂道をなか
り歩かねばならない。だが参道を登りきると高所だけに素晴らしい景観が
広がる。
以前はもっと杉の大木に覆われていたが、大型台風の通り道になったこと
があり、杉が至る所で根こそぎ倒されて槙尾山の自然が大きく破壊された。
所在地 : 和泉市槙尾山町136
開 基 : 行満上人(1400年前頃)
本 尊 : 千手千眼観
ご詠歌 : 深山寺や ひらば松原 わけ行けば 槇の尾寺に
駒ぞいさめる
沿革 : 欽明天皇の時代に行満上人が弥勒菩薩を 本尊として 建立した
のが始まりとされるが、 奈良時代に行基の弟子法海が中興し
宝亀2年(771)千手千眼観音を安置されたという。
★ 麓にある山門、ここから登り始める
★ 山頂まで601m、まず本堂にお参りする
★ 本堂正面 境内は結構広い
山岳信仰の修験道場とはいえ、こんな道なき道の、険しい山頂にお寺を造る。
どのようにして建造したのであろうか、古人の思いには感嘆の域を越える。
この施福寺は歴史が古く、今から千四百年余り前とのこと。また空海が16歳
の時この山に登り修行を重ね20歳で剃髪し得度したという。
ここは高地だけに、遠く金剛、二上、生駒、岩湧の山々が一望でき、素晴ら
しい景観となる。 当日は秋に少し早く紅葉の冴えがもうひとつだった。
★ 境内からの見晴らし
★ 紅葉
一時は栄え、寺領二万石、住僧三千、八百八坊、の大寺院だった伝え
られているが、織田信長の焼き討ち等 戦乱や火災等に見舞われ往時
の盛況は見られず、今は山門、本堂の他、観るべき建物は少ない。