名刹の旅 no33 : 青葉山松尾寺
青葉山松尾寺は、西国三十三ヶ所観音霊場の第二十九番札所です。
京都府舞鶴市の東、福井県との県境の、こんもりと茂った青葉山の中腹
に松尾寺の境内が広がります。
松尾寺を訪れたのは新緑の春、その日は雨、不便な所だけに車でのお参
りです。青葉山はしっとりとした木の葉がお寺を全体を覆い、新鮮な空
気と静寂な自然に心がなごみます。
なんとこんなにへんぴな奥地にも、閑静な名刹が在り人々の信仰を集め
てきたのか、二層屋根の堂々たる本堂に歴史の重みを感じます。
★ 山門
★ 山門から境内へ
★ 山門をくぐり 石段から本堂へと続く
★ 本堂を斜めから眺める
★ 正面の灯篭 と本堂
この寺の本尊は「馬頭観世音菩薩」で、三十三ヶ所巡りのうち馬頭観音
像を本尊とするのはこの寺だけ、現代は観音名に 因んでか競馬関係の人
の参拝が多いそうです。
仏像の図像学では、阿弥陀如来は補處の菩薩として大勢至菩薩と観世音
菩薩を脇持として如来の左右に立たせます。
観世音菩薩には、七観音あるいは三十三化身といってさまざまな変形が
あり、その変形に対して、変化しない本来の形を聖観音といいます。
変化した観世音菩薩には、十一面観音・千手観音・不空羂索観音・如意輪
観音・等々があり、馬頭観音もその中の一つです。
馬頭観世音菩薩は頭上に馬を頂き、柔和な相と忿怒の相があり、忿怒の
相はこの尊が馬頭明王と呼ばれることもあるとされています。
★参考馬頭観音:当寺の仏像の写真が無いので、奈良大安寺(重文)
を掲載
宗派:真言宗醍醐派
本尊:馬頭観世音菩薩
住所:舞鶴市松尾532
御詠歌: そのかみは いくよへぬらん便りおば 千歳もここに
松の尾の寺
縁起 : この寺の創建は和同元年(708)唐僧の威光上人が、青葉山
の双峰を見て、この山こそが霊地であると考え松の大樹の下
で法華経を唱えると、馬頭観音が現れたので、上人は馬頭観
音を彫り、草庵を結んで安置 したのが始まりだそうです。
★ 宿坊(ここで朱印をいただく) 宿坊全景