日本桜草の魅力:「名刹」旅の記録

庭に咲く花。中でも日本桜草の容姿に
ついて、画像を見ながら観賞していき
たいと思います。

さらに名刹めぐり、旅の記録をとりま
とめてみたいと思います。

名刹の旅 no34: 東大寺ミュージアムと三月堂

        ★ 東大寺大仏殿全景

        ★ 東大寺大仏殿

        ★ 三月堂(法華堂)

 

   ★ 三月堂の本尊:不空羂索観音と日光・月光菩薩
     原色日本の美術から

    ★ 三月堂内、須弥壇の仏像配置図


若い頃、奈良東大寺方面をよく散策した。いつも思うことは奈良には
常に新しい発見がある。


特に三月堂(法華堂)は仏像(国宝)の宝庫で、堂内に入り配備され
た長椅子に座って、静まりかえる堂内の冷気にしばし心をやすませる。


その頃の三月堂の仏像配置は、不空羂索観音を須弥壇の中心に配し
日光・月光菩薩を脇侍として、総数16体の仏像が並びそれは壮観な
殿堂であった。


不空羂索観音については、以前東大寺のブログにも書いたが、亀井
勝一郎著書の「大和古寺風物詩」によると。


「私はこのみ仏を拝するたびに、いつもその合掌の強烈さに驚く。
須弥壇の上に立つ一丈二尺の威躯は実に荘厳であり力が充実しており、
また仄暗い天井のあたりに仰がれる尊貌は沈痛を極めている。慈悲の
暖かさも悟達の静けさも見られない、口を固く結んで何かに耐えてい
る悲壮な表情である。その一心のの願いが逞しい肩と両臂(りょうひ
じ)をとおして、やがて胸の上に堅く合わあわされた強烈な合掌とな
るのであろう。」


さらに日光:月光菩薩については


「不空羂索観音の強烈さに驚くが、このこの両菩薩の合掌の美しささ
も無比であろう。指先がふれるだけで、実に柔らかく、ふくらみを帯
びて合掌している。この暖かい合掌は何に由るるのであろうか。・・・・
この親しみふかい菩薩の手を通して本尊の峻厳にまで人間を導こうと
するのであろうか。」と語っている。


日光菩薩、月光菩薩は本来、薬師如来の補處の菩薩として脇侍するが、
ここでは不空羂索観音を本尊としてその脇侍となり、厳しく律する
観音様の脇でしずかにかしずく。


三月堂(法華堂)は、内部が須弥山世界であり、個々の仏像を観賞す
るというより、仏教世界に入り静かに両手を合わせて祈るところなの
でしょうか。


この三月堂が、堂内須弥壇の修理のため、2011年8月から非公開とな
り、素晴らしい国宝の日光菩薩・月光菩薩は「東大寺ミュージアム」
に移設されたという。


その結果、三月堂内はどのように変わったのだろうか、今年の2月
7日、随分と久しぶりに東大寺を参拝する機会を得たのでさっそく
堂内を拝観した。


   ★ 移転後の堂内仏像配置


このように堂内は、仏像も16体から10体となり、かなりゆとりが
できるが、なにかしら物足りなさを感じるのは、日光・月光菩薩のい
ないせいなのか、それでも不空羂索観音の威躯は実に荘厳であり力が
充実して、圧倒的な存在感で以前となんら変わることはない。
ただ亀井勝一郎の名解説が当てはまらなくなったことは残念と言うほ
かはない。


東大寺ミュージアム平成23年10月に開館された。


国宝や重要文化財を多数所蔵する奈良の東大寺が、一般公開できる展
覧施設として開館したのである。そして現在は「東大寺の歴史と美術」
をテーマに展示会が行なはれている。


今年の2月7日、私は初めて東大寺ミュージアム訪れた。


東大寺ミュージアムは展示会場であるため、国宝級の彫刻・絵画・書跡
・工芸等の一つ一つを身近に観賞することができる、そのうえ音声ガイド
を借りたので個々の展示物に詳しい説明がはいる。


今回、特に東大寺ミュージアムの観賞の関心事は、三月堂から移設され
てきた日光菩薩・月光菩薩がどのような形でに安置されているのかで
ある。


       ★ 東大寺ミュジアム

  ★ 四月堂:重文の木造千手観音立像が祀られていた


第二展示室の中央には新たに四月堂から重文の木造千手観音立像をお
迎えし展示されていた。その大型で奇異に感じるほどの千手観音は彫刻
として見てもすごい迫力である。その左右に、日光・月光菩薩が静かに
合掌して侍しておられた。


室内は当然撮影は出来ない。そこでパンフレットの像を合成してその
状況をイメージ化してみた。

★ 東大寺ミュージアム展示会場第2室、中央の仏像配置。
  --- パンフレットからの合成写真で配置イメージ ---


展示会場は5室にわかれ主な展示物は次のとうり。


第1室創建期の東大寺
国宝東大寺金堂鎮壇具や重文伎楽面など


第2室東大寺の彫刻(奈良時代~平安時代)
重文千手観音立像のほか日光・月光菩薩、
誕生釈迦仏や菩薩半跏像の彫刻 書跡と工芸


第3室東大寺の彫刻(奈良時代~鎌倉時代)
平安~鎌倉時代の工芸


第4室東大寺の聖教
東大寺の絵画


第5室東大寺の考古・・・・となっている。



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