日本桜草の魅力:「名刹」旅の記録

庭に咲く花。中でも日本桜草の容姿に
ついて、画像を見ながら観賞していき
たいと思います。

さらに名刹めぐり、旅の記録をとりま
とめてみたいと思います。

名刹の旅 番外 : 養翠園(和歌山)

養翠園は、紀州藩第10代藩主徳川治寶によって、文政元年~九年(1818~
1826)にかけ、和歌山市の西浜に造営された、約33,000㎡におよぶ
大名庭園です。


私は、以前に3年間和歌山市内の勤務で「養翠園」の存在は知っていまし
たが訪れたことは一度もなく、始めて観光したのは今から8年前ただの
一回きりです。 


             ☆ 正面入口

         ☆ 門から進むとあじさい園が広がる


養翠園は、山の景色を借景しており、正面には天神山、側面には章魚頭姿山
(たこずしやま)を配した、奥行きの深さと広がりのある庭園です。池泉は
回遊式で、茂る樹木は松の木が多く、松の緑一色に覆われたような日本式
庭園となっています。


門から庭園に入ると、歩道が左廻りになっているようで、周遊しながら樹木の
変化が楽しめます。当日は来園している人も少なく、全く閑散として、別天地
に来た感じを受けました。


また池泉は、海水を引き込んだ「汐入り」で2ケ所に樋門があり、潮の変化で
水位を調整しているとのこと。なお池が海水のため、魚はイナ、ウナギ、ハゼ、
など海と川の境に生息する生物が多いといいます。


         ☆ 太鼓橋と守護神島守護神

          ☆ 太鼓橋と守護神島守護神

          ☆ 養翠亭を望む

           ☆ 借景の天神山
 

            ☆ 湊御殿

我が家で育つ「鉢植えの山野草」

私はいろんな花の中で、特に素朴な山野草が好きなのですが、いざ育ててみ
ると あまり目立たないせいかどうしても粗末に取扱ってしまう。


しかしながら山野草には野生の強靭さがあり、どっこい毎年生きていてその
存在を強く主張します。


             ☆ シシヒトツバ

            ☆ シシヒトツバ
山野草の愛好家からシシヒトツバを頂いた。それから十数年間育てたが、
いたって強健な植物で、ほおっておいても絶えることはない。見た目が
まっこと奇っ怪な容姿です。


シシヒトツバは江戸時代から改良された園芸植物だそうで、獅子葉ヒトツバ
とも呼ばれているとのこと。


 

          ☆ タンチョウソウ(丹頂草)

          ☆ タンチョウソウ(丹頂草)


春。葉っぱが出始める前に花茎が立ち上がり白い小花が密集して咲き出す、
そのあと蕾の先端が赤く染まっていく。その様子があたかも丹頂鶴に似て
いるところから名付けられたとのこと。
花の咲いたあとも八手に似た葉っぱで覆われ、葉そのものにも観葉として
の見応えがあります。


タンチョウソウは、ユキノシタ科の岩八手草のことだそうで、私宅では、
作り始めて十数年絶えることなく年々大株になり強健に育っています。


            ☆ ムサシアブミ

          ☆ ムサシアブミ
          ムサシアブミ(武蔵鐙)
花の形態が、馬具の「鐙(あぶみ:半円形の馬具)に似ているということで命名
さたようです。


我が家に来たのは30年ほど前 園芸店で、花の珍しさと、葉の美しさに惹かれ
購入し鉢植えとした。以来同じ鉢で土も替えずほっているが、毎年に春にはれば
元気な芽を出す。ともあれ精力的な野草です。
ただ 有毒植物で特に偏球形の地下茎や、赤く熟す果実は毒性が強いとのこと。


           ☆ ヤブレガサ

            ☆ ヤブレガサ
--よくぞ名付けた「ヤブレガサ」-- 私はこの草に惚れ込んでいます。
全く昔の番傘のように開きます。開き切ったら 番傘が破れた如く、雨降は
雨がじゃじゃ漏れです。人生総て 完璧より不完全がいい、私はシンメト
リックよりアンフォルムに魅力を感じます。


花は咲きます。それがまた見るに堪えないお粗末なものですがそれはそれ。
傘が開く前の若葉は食用になります。


                    ☆ キチジョウジソウ(吉祥寺草)


野生種でキチジョウジソウほど雑草に近い植物は少ない、したがってかなり
ぞんざいな取り扱いとなるが、一旦花の茎が伸び小花が咲き始めると
「こりゃまた面白い可愛い花だこと」となる。

花の咲く頃、葉先が少し枯れる場合があるので、切ってやると結構見事な
山野草だと思う。


           ☆ イカリソウ
その昔山野を駆け巡っていた頃、イカリソウは何処にでも自生しており、珍し
い野草ではなかった。それをどこでか採取して持ち帰えり鉢に植えた、それが
今だに鉢の中で生きている。
数年前までは黄花イカリソウと紫のイカリソウの二種を育成していたが、何時
の間にやら黄花は消えてしまった。
イカリソウは生薬としても用いられ、葉を食べた牡牛は精力が強くなり、よく
繁殖したという。


            ☆ フウラン
和歌山、山野草店で買い求めて四十年、長持ちして株も大型になっています。
花が美しく、香りもよく、茎は短く直立し、隙間なく葉をつけます。
庭に出るとほのかな匂いが広がります。


風蘭は成長が遅い。年間に生じる葉は一本の茎に2~3枚程度です。それで
も初夏には白い清楚な花を咲かす一服の清涼剤です。


             ☆ セッコク
古典植物としても名高い長生蘭。私が和歌山洞川の船つき場で買い求めて
四十年、まこと大株になり毎年たわわに花を咲かせます。


セッコクは古くから日本で栽培されており、江戸時代は長生草、大正以降
は長生蘭という縁起の良さそうな名前で親しまれてきたそうです。


セッコクは花も楽しめるが、古典植物として、葉と茎も鑑賞する山野草で
す。江戸時代の園芸文化を語るに欠かせない植物の一つだとのこと。


            ☆ トワダアシ
十和田アシは、日本各地の湿地に自生する湿地植物でクサヨシの仲間で多年草、
地下茎を伸ばして湿地に群生しているそうです。


私は二十数年来、トワダアシを鉢で育てていますが、生命力が強く湿地でなく
ても、少々乾燥しても絶えることはありません。
この植物の魅力は、葉っぱが白とピンクの美しい縦縞斑が入り、観葉植物とし
て重宝しています。


        ☆ キイジョウロウホトトギス 
「キイジョウロウホトトギス」は、つややかで鈴の形のような黄色の花をつけ、
地元では「山里の貴婦人」とも呼ばれているそうです。。
名前の由来は、紀伊(キイ)は紀伊半島。上臈(ジョウロウ)とは江戸幕府
大奥の職名で優雅な貴婦人という意味からこの名がついたという。


紀伊半島南部の、山中の湿った崖に生え茎を垂らす。古くから鑑賞価値の高い
ものとされ『紀伊続風土記』に「黄杜鵑草(きのほととぎすそう)、那智山中
に産する奇品なり」記されているとのこと。現在も山野草として、また、
切り花、茶花としても利用されて評価の高い植物です。
私は四年前にある園芸店で一本の苗を見つけ購入したが結構な値段でした。
     (環境省レッドリスト:絶滅危惧II類 VU) 


           ☆ ヤマブキソウ
三十年ほど前、四国愛媛県山中の無人山野草販売店で、黄花の可憐な花を見つ
けた。1ポット350円位いだったか? それがヤマブキソウで、ずーと我が家
で生きている。ヤマブキソウはケシ科クサノオウ属の多年草とのことで4~5月
ころに花の見ごろを迎えます。

名刹の旅 No101 : 那谷寺

那谷寺(なたでら)は、石川県小松市に所在する風景明媚な仏教寺院です。


寺伝によれば、養老元年(717年)泰澄法師が、越前国江沼郡に千手観音
を安置したのが始まりとのこと。平成29年に開創1300年を迎えるという。


                                            ☆ 金堂華王殿

                               ☆ 伽藍配置図(当寺のHPより借用)


当初の寺社名は「自主山厳屋寺」であったが、寛和2年(986年)花山法皇
が行幸のおり、岩窟で輝く観音三十三身の姿を感じ、観音霊場西国三十三
ケ所はすべてこの山に凝縮されるとし、西国三十三観音の一番「那智」と
三十三番「谷汲」の山号から一字ずつを取り「自主山厳屋寺」から
「那谷寺」へと改名されたそうな。


私は6 年前の秋、二度目の参拝でしたが、北陸観光では絶対見落せない
名刹スポットで、一度お参りするとその見事な自然は心に深く焼き付き
き、境内の紅葉は真紅に染まりその美しさは筆舌に尽しがたい。


                           ☆ 境内の見事な紅葉(9画像収録)


まず山門をくぐると参道の左に書院庭園が広がり、そこを通り抜けると
琉美園に入る。ここに見事な仏跡に似た岩「三尊岩」がある。
池を中央にして、自然石の岩面が3つに別かれ、岩面の裂けた姿が阿弥陀
三尊のご来迎に似ていることから名付けられた。


                                  ☆ 三尊石・琉美園

                                   ☆  琉美園

                                   ☆ 山門

                            ☆ 書院庭園

 

                          ☆ 普門閣 宝物殿付近


参道に戻り金堂華王殿を拝観する。誠に美しい金堂で、十一面千手観世音
菩薩がお祀りされている。この金堂は南北朝の戦火で消失して、平成2年
(1990年)に650年ぶりに再建されたという。


さらに参道を進むと奇怪な岩石が組み合わされた風景を見る。ここは
「奇岩遊仙鏡」と呼ばれ、昔は海底噴火の跡で、永い年月の間の風波に
晒されてこの奇岩が形成された。


             ☆奇岩遊仙境

 

           ☆ 奇岩遊仙境・稲荷社


このあと階段を登り本殿に参拝。この本殿は「大悲閣」と呼ばれ、歴史を感じる
古い木造の建造物で、洞窟に寄りかかって建っている。


                 ☆ 大悲閣(本殿)

       ☆ 階段を登り大池に出る
このあと大池を廻り、三重の塔から楓月橋を渡ると展望台に着く。ここの
展望台から見る奇岩遊仙境の眺めは全く素晴しい。  


  

         ☆ 三重塔                       

         ☆ 楓月橋


         ☆ 展望台からの眺め


元禄2年(新暦1689年)奥の細道の松尾芭蕉も参詣し、奇岩霊石がそそり
たつ遊仙境の岩肌を臨み下記のか句を詠んでいる。 


  芭蕉句碑 「石山の石より白し秋の風」


        ☆ 芭蕉句碑  


所在地:石川県小松市那谷町ユ122
山号 :自生山
宗派 :高野山真言宗
寺格 :別格本山
本尊 :千手観世音菩薩
創建年:養老元年(717年)
開基 :泰澄


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