名刹の旅 no20 : 東大寺
奈良東大寺は何度行っても見どころが多い。その上に興福寺、春日神社、
奈良公園、馬酔木の小径を通り新薬師寺、百毫寺へと、それぞれに興味
をそそる古刹ばかりなので かなり何回も観光することになる。
今回はまず東大寺から拝観のこととしたい。何といっても最初は東大寺
南大門、ここに有名な国宝の仁王菩薩像がにらみをきかす。
参道にそって歩くと、巨大な建造物大仏殿の全景がちかずく。大仏殿は、
国民小学校の修学旅行が初めて、そして観光も兼て何回拝観したことか。
その度に違った感覚にとらわれる。
★東大寺南大門
★ 仁王像 (阿形:吽形)
★東大寺金堂
★ 奈良の大仏様
二月堂は、東大寺金堂(大仏殿)の東方、坂道を上り詰めた所にあり、旧暦二月
にお水取りが行われる。(現在では新暦の3月1日から14日まで行われている)
本尊は、大観音、小観音呼ばれる2体の十一面観音像でどちらも何人も見ること
を許されない絶対秘仏であるらしい。
ここで必見なのが二月堂のお堂の前面舞台から見る景色である。大仏殿を真下に
生駒山まで遠望できる風景は必ず一生忘れられない記憶となることでしょう。
★東大寺二月堂
★ 二月堂から遠望
★ 二月堂からの眺め
東大寺に観光に来たからには、三月堂(法華堂)は必ず参拝をしたい。三月堂
は堂内須弥壇の修理のため、2011年8月から非公開となり2013年5月18日から
公開が再開されたという。
★ 三月堂(法華堂)
三月堂の室内に入ると、まず最初に不空羂索観音の堂々たる威躯に
圧倒される。しかし両脇に脇侍する日光・月光菩薩のやさしさで、
はりつめた気持ちが少しやわらぐ。
この三月堂の状況を「亀井勝一郎」の著書「大和古寺風物詩」
このように書きとめているのでその一部を引用すると。
不空羂索観音については
「私はこのみ仏を拝するたびに、いつもその合掌の強烈さに驚く。
須弥壇の上に立つ一丈二尺の威躯は実に荘厳であり力が充実して
おり、また仄暗い天井のあたりに仰がれる尊貌は沈痛を極めてい
る。慈悲の暖かさも悟達の静けさも見られない、口を固く結んで
何かに耐えている悲壮な表情である。その一心のの願いが逞しい
肩と両臂(りょうひじ)をとおして、やがて胸の上に堅く合わあ
わされた強烈な合掌となるのであろう。」
さらに日光:月光菩薩については
「不空羂索観音の強烈さに驚くが、この両菩薩の合掌の美しさも無比で
あろう。指先がふれるだけで、実に柔らかく、ふくらみを帯びて合掌し
ている。この暖かい合掌は何に由るるのであろうか。・・・・・
この親しみふかい菩薩の手を通して本尊の峻厳にまで人間を導こうとす
るのであろうか。」
と記述している。
何しろ三月堂(法華堂)は国宝の宝庫で、建物自体が奈良時代(8世紀)
建立の国宝である。堂内に16体が立ち並びそのうち12たいが国宝、
4体が重文で、全体のうち14体が天平時代に造立された仏像だという。
この堂内で一番凄い仏像が執金剛神立像で、本尊背後の厨子に安置され
ているが秘仏で拝観することはできない、毎年12月16日にのみ開扉され
ると言う。
ゆえに美術本でしか像を見ることは出来ないが、仁王と違い甲冑を身に
着け、凄い形相で睨みつける迫力は凄いの一語につきる。
★中央:不空羂索観音:脇侍 日光・月光菩薩
(原色日本の美術から複写)
★ 執金剛神立像
次に 4月堂だが本尊に木造千手観音立像(重文平安時代)が安置されて
いるが拝観せずに鐘楼に出る。
★ 四月堂
★ 四月堂の千手観音立像
ただ残念なことは平成23年10月の開館された「東大寺ミユジァム」を今だ
拝観していないことである。