名刹の旅 no17 (番外): 紀伊大島
★ 串本グランドホテルから見る「橋杭岩」
★ 串本から紀伊大島にかかる「くしもと大橋」
♪ ここは串本 向かいは大島 中をとりもつ 巡航船
アラヨイショ ヨイショ ヨイショ ヨイショ ヨイショ ♪
現在 串本から紀伊大島への巡航船は運航していない。立派な「くしもと大橋」
が1999年に開通して島の出入りは全く便利になっている。
私が初めて紀伊大島を訪れてのは、今から15年前の2001年9月「くしもと大橋」
が建立された2年後である。
そのとき串本グランドホテル泊で南紀方面を観光をした。最大スポットは紀伊
大島の島内を見ることだった。紀伊大島は和歌山県の串本町の沖合い約1.8km
の海上に浮かぶ周囲28kmで和歌山県下最大の島である。
★ 樫野崎灯台
★ トルコ軍艦慰霊碑
島内の県道40号線をたどると島の先端に樫野崎灯台がある。明治3年に点灯
された我が国最古の石造りの灯台と聞く。
この周辺に、トルコ軍艦慰霊碑やトルコ記念館があり、ここで初めて日本と
トルコの友好関係のきっかけとなったエルトゥールル号の海難事故が この
沖で発生したこと知る。
★ 海金剛の「魔女の髪梳き岩」この付近の岩礁で船は大破した
-- 映画のロケ地として何回もこの場所が放映される --
★ 軍艦エルトゥールル号(パンフレットから)
★ 映画のパンフレットから
この慰霊碑から島の南側の遊歩道を散策すると、海岸線が吃驚するほど断崖
絶壁となっており太平洋が広がる。岩は海に落ち込み太平洋の荒波をうけて
岩が切り刻まれ荒々しいが、それは見事な風景である。
特に海金剛の「魔女の髪梳き岩」と言う場所は、絶壁の下、荒々しい 巨岩が
立ち並び壮観な海岸線となる。私は近畿でこれだけ見事な海岸美を見たこと
は無い。
この海岸線でトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故が起きた。親善訪日の
役目を終えて、トルコの軍艦エルトゥールル号は帰国の途に就くのだが、
1890年9月16日に、紀伊大島の樫野崎で、台風による強風にあおられ、岩礁
に激突して沈没する。その結果587名が死亡または行方不明となる大惨事が
起きた。
このエルトゥールル号遭難事故が映画化され「海難1890」として現在放映さ
れている。
私はこの映画を3日前に観賞した。
木造艦エルトゥールル号は強風のため進退の自由を失い、風濤に翻弄されて
ぐんぐん樫野埼灯台下の岩礁「船甲羅」押されていく。この船甲羅は数百年
来、海の難所として知られたところ、艦長以下乗組員全員は死力を尽くして
荒れ狂う海と戦うが、絶望的な状況下ではなす術もなく船甲羅の岩礁に乗り
上げ破滅する。
この爆発音で海難を知った大島の島民(漁民)は、献身的な救難活動を行い
69名が救助された。
この映画は、素朴な島民の善意な行動に涙なしでは見られないと思う。
★ 映画のパンフレットから
そのうえ遭難事故のロケ地となった海金剛の「魔女の髪梳き岩」が幾度も
映し出される。
15年前に観光した紀伊大島のあの風景が、映画となって目の前に映し
出される、なんと素晴らしいことか。