名刹の旅 no6:「谷汲山:華厳寺」
満願の寺、谷汲山華厳寺。真紅の紅葉に染まる
-----これこそが紅葉-----。
紅葉の盛りは一週間位で、その時期を逸してはならない。その
ことを強く感じたのが谷汲山華厳寺である。古刹めぐりを兼ね
て晩秋に三回訪れたが、二回は紅葉を盛りを少し逸して期待は
ずれだった。それが最後の1回に最高の紅葉を見た。
それは今回、約5年をかけて西国三十三ヶ所の巡拝を一巡して、
最後にお参りしたのが谷汲山華厳寺である。すなわち華厳寺は
西国三十三ヶ所巡りの満願の寺で、札を収めて巡拝を完了した
日である。
参拝には特に秋の紅葉時期を選んで、一泊2日の日程を組んだ
宿泊は琵琶湖の近江八幡国民休暇村である。
我が家から谷汲山へは、阪和高速→西名阪→名古屋→東名高速
の大垣ICから一般国道を通る。華厳寺まではかなりの道のりで
道中が実にややこしい。
華厳寺では、山門まで門前町が続き、色付いた紅葉樹が並び、
店頭に幾多の山の幸を見ながら山門に辿り着く。
門前町の紅葉
山門
山門を入り、境内に立つのぼり旗
山門を入った途端いっぺんに情景が変わる。境内では気持ち
も引き締まり、冷やりと澄んだ空気で周囲の紅葉も一気に冴
える。
参道には、観世音菩薩の「のぼり旗」が多く立ち並び、霊場
の雰囲気を盛り上げるなか、紅葉に染まった自然の樹木は、
赤、黄、橙と、その上針葉樹の青が混ざり合って見事な景観
を作り上げる。この素晴らしい秋景色は近在では見ない。
----- 参道の紅葉 -----
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
谷汲山華厳寺はご本尊は十一面観世音菩薩である。秘仏で直接に
拝観は出来ない、しかし戒壇めぐりと言って。本堂床下に真っ暗
な回廊を一巡すると本尊と結縁し極楽往生が約束されるという。
私も指先を壁に付け、その感触だけで暗闇を歩行していた。
そして一気に明るい所に出る。これは眼の大切さ日光の有り難さ
を改めて認識し、自らを戒めるためのものだという。
一応手持ちの掛け軸に満願の朱印をもらい。そして最後は本堂か
ら裏手に進み、階段を三十三段上った先に建つ堂。満願堂で納め
札を納める。
満願堂
------最上部から、谷汲山を見渡しながら-------
心静かにこの旅を終える